けっこぉー早く出来たんじゃね?
2017年 05月 01日
二千十六年わぁ十月十一日。
苦節一年半でよぉ、死ぬほど長ぁーく待った気がしたがぁ、普通わぁ三年待ってもぉ上がってこねぇと噂のな、竿貴さんのお竿がぁ出来たっつーんでよぉ、のこのことぉテクノポリス都下までぇ出掛けてったんわぁ良いけどな、駅からぁタクスィー乗ってよぉ、竿貴さんとこぉ重賞伝えたらな、
おろ?
何つーかよぉ、ほっとんど畑しかねぇ所降ろされちまったじゃあねーの。
うろうろ彷徨いてよぉ、歩き回ってもよぉ、どーも人が歩いてねーじゃん。
グーグル先生に尋ねてみりゃぁ、おめーざけんじゃねーよ。
隣の市のおんなし名前の町連れて行きやがってよぉ、そっからぁまぁーたタクスィー探そうにもな、タクスィーなんぞ走ってねぇーじゃん。
仕方ねぇんでな、畑越えてぇ山超えてぇとことこ歩く事小一時間だ。
やーっと車の通りがある往来に辿り着いたらぁな、ちょーどタクスィーが来たんで捕まえりゃよぉ、なぁーんとさっき俺がぁ乗って来たタクスィーじゃねーか。
貴族乍らぁ優すぃ僕ちんわな、申し訳無さそうなぁ運ちゃんえお責める事なくよぉ、貴族らしく元来た道戻って貰ってな、お陰で二倍の運賃払ってよぉ、貴族らしく竿貴工房えと一時間半くらい遅れで向かった訳よ。
どーせ腹ペコでぶっ倒れてんじゃねーかとな、竿貴さんの為によぉ、土産の弁当二つ持ってぇ工房の扉開けようとすっけどな、尋常なぁ量の竹が立て掛けてあって扉が開かねぇでやんの。
どーやって家ん中によぉ、竿貴さん入ってんだかぁほーんと不思議だよなぁ。
こりわよぉ、二千十六年一月にみに行ったぁ、切り組み済みのよぉ、貴族高級総矢竹モバイルゼーハー和竿のあり日のお姿な。
んで、
どどーんと完成したんがこりですよ。
金虫喰いの塗りによぉ、薄い拭き取りの胴塗りにな、劇画タッチのぉ節影塗り入れて下さいよと無理言ってお誂えしたんだよ。
糸巻きやぁ鼈甲、竿尻にゃぁ四分一銀とな、正に貴族で侍で横綱の俺にジャストフィッツしたお竿だろ。
仕舞いわぁ二尺切りで四本だ。
矢竹の根堀り元も僕ちんの拘りだよ。
矢竹の並継竿でよぉ、がっちがちの硬めの調子にして頂いたぁつもりだったけんどもぉ、ちと胴に乗る感じになっちまったんがぁ心残りっちゃぁ心残りだけどな、まぁ見た目でぇ先ずわ許しちまったわ。
ところでな、仲間の六郎さんがぁ一緒にお誂えしたお竿もな、関西間近なんでぇ勝手に拝見させて頂いたけどよぉ、
総布袋、淡竹元の二本継のゼーハー竿だよ。
竹わぁ俺が選んでやったからぁ、手元の淡竹なんざぁ失禁もんの格好良さだべ。
塗りわよぉ、石垣塗り何ちゃら言う、ど偉い手間のかかる塗りらしいぞ。
まぁーだ漆がぁ若いんでな、透けてねぇんで真っ黒だがぁ、透けりゃぁすんげーいろになりそうだぜ。
このお竿にもよぉ、鼈甲の糸巻きと四分一銀の竿尻が着くんだよ。
もーどんだけ貴族なんだよってお竿だよな。