ズラ健児、終に東京湾の藻屑と成るのか。
2015年 08月 21日

後二週間もすりゃぁクリスメスが来る、師走のテクノポリスです。
十二月十二日にゃぁよぉ、どんよりとぉ曇ったぁ鉛色の空の下、湾奥でも,ゼーハー始まってんだろと思ってよぉ、ちと調査しに行ったんだがぁ、まさかこん時ゃあよぉ、んな玉金がぁ縮み上がるよーな出来事がぁ起きるたぁ夢にも思わねぇ。
まんずわぁ、お約束で酒がっつり喰らってな、貴族高級銀座東作ゼーハー和竿をセッチングしてよぉ、足下に溜まってんじゃねぇかと思われるゼーハー探ってやんだよ。

此処わよぉ、足下の水深、カンチョーでも約6尺わぁ有るんじゃねぇのか。
おまけによぉ、かなる岩やらぁ牡蠣殻が多くてな、ちょっとでも投げて釣りすっとよぉ、根掛かりすんげぇんで釣りになんねぇが、そーゆー所だからこその、なっかなかでかくて立派なゼーハーが真冬に釣れる貴重なポインツなんだよ。

早速ゼーハー掛かってよぉ、こりゃぁ今年も行けっかなぁと思ったらぁ、そっこーで根掛かり来ましたよ。
でよぉ、まぁー此処の牡蠣殻に引っ掛けちまうと、そーわ簡単に取れやしねぇ。
オマケにな、お竿に巻いてた糸がすげー少なくてよぉ、糸目一杯引き出してやってもな、お竿も四本継の二間だろ、穂先から出た糸まで僕ちんの手が届かねぇ。
糸掴めねぇ事にゃぁよぉ、がっつり掛かった仕掛け外せねぇじゃん。
其処でズラ健児、IQ140の頭で思い付いたんわぁ、穂先と穂持ち抜いて糸掴んでやりゃ良いじゃんつー事でよぉ、穂先抜いたらぁロープウェイの如くするするするっとよぉ、穂先と穂持ちがぁ真冬の海ん中に突っ込んで行くじゃありませんか。

海中の牡蠣殻に引っ掛かった仕掛けとよぉ、俺の手元に有るお竿の糸だけで繋がってる貴族高級和竿の穂先と穂持ち。
正に糸電話状態でな、此れで牡蠣殻に引っ掛かった天秤ごと取れちまったらよぉ、もー其れで穂先と穂持ちわぁ太平洋を漂う事に成っちまう訳だ。
んでよぉ、もー僕ちんわ半分涙目でよぉ、慎重に海中の天秤が切れねぇよーに、じっくりじっくりと糸を手繰るんだがぁ、波も荒くてよぉ、引っ張った糸がぁどんどん潮に持ってかれてぇ、終にぷっちん。
貴族高級和竿の穂先と穂持ちわぁ海の中優雅に泳いでんじゃねぇの。
んな時によぉ、マイソウルゼーハーメイツの浅草のおやっさんが駆け付けてくれてな、サクッと手持ちの竿で漂う僕ちんの穂先と穂持ちを釣り揚げてくんねぇかと妄想すっけどな、冬の寒空の下のテクノポリスベイ、居るんわ僕ちん独りだけ。
漂う穂先と穂持ちを目で追いながらぁ、南無下谷稲荷大明神様と唱え乍ら、ささっとダウンジャケットに銭とiPhoneの入ったズボン脱いでな、そっこーで海難救助時使用の非常梯子でよぉ、真冬の海に降りますよ。
褌一丁になってな、海に降りる迄の所用時間わぁほんの一分くれぇだったぜ。
何とか梯子からよぉ、足伸ばして漂う穂先と穂持ちを足の指で挟んでやろうかと思ったが、波に拐われてぇ、どんどんと沖に流されてくじゃねぇか。
貴族で侍で横綱の僕ちんでもよぉ、真冬の海に飛び込むんわぁ流石に死んぢまうと思ってな、諦めて岸に上がるけど、目の前を漂う貴族高級和竿の穂先と穂持ち見てるとやっぱ諦めがつかねぇ。
此処わ一か八か、残った手元の糸によぉ、オモシやら天秤やら鈎やらがちゃがちゃに結んでな、上手く引っ掛からねぇかとぶん投げてやりゃぁ、



何とよぉ、信じられねぇ事に、一発で命中、うめぇ事によぉ、ちょーど真中んとこくるっとオモシやら鈎がぁ一回転してな、抜けねぇ様に上手く絡んでよぉ、そっから岸まで揚げる間に落っこちんなよと祈りながら慎重にやって、見事に引き揚げ大成功だよ。
下谷稲荷大明神様わやっぱ俺の事お見捨てになられなかったと感謝して、僕ちんわ海の藻屑と成らずに、そそくさとテクノポリスベイを後にしました。


数年前に初夏の聖地大横川で飛び込んで、マジでもう少しで死に所であいた。
お竿の為に死んでも、誰にも褒められませんね。
数年に一回はこういう目に遭いますので、本当に運が悪いですわ。。
お竿お陰で助かりましたが、一年近く経った今でも、コミが水を吸ってしまった為かきつくなってしまい、コミ調整に出さなくてはなりません。
もしこのお竿の穂先と穂持ちを作り直すとなると、かなりの出費になるので、コミ調整位でラッキーだと思っております。