六月二十七日わよぉ、灼熱地獄の下町水路だよ。
数年前にわ此処でな、浅草のドンファンがぁぶっ倒れたくれぇ、この時期やばい所なんでよぉ、まぁージジイな俺らにゃぁお奨め出来ねぇポインツだ。
今日のお竿わな、貴族高級竿考作エベ用総布袋和竿だよ。
仕舞いわ三尺くれぇで二本継、手元わぁ亀甲の布袋をよぉ、うめえぇ具合にぃヘラ握りっぽく仕上げてな、この手元だけでもぉ見てて気持ちの良いお竿だ。
調子わぺろんぺろんのぐんにゃぐにゃでな、正にエベの浮子釣りで使えよっつー感じだぁな。
此処わぁ浅いガレ場なもんでぇ、ちと重いオモシの脈釣り仕掛けにすっとな、ソッコーで根掛かっちまうよ。
浮子付けてかるーく流してやったほーが、釣り味も良いと思うな。
んなくっそ小せぇゼーハーわうっじゃうじゃ居んわ。
んなの相手にしねぇでよぉ、只管ぁどっかからぁでけぇのが飛び出てくんの待ち受ける訳だ。
ちとズーサイも上がってくっけど、まぁーだまだな。
んまぁーこんくれぇならぁ、ちと許してやんわ。
隣のポポさんにもちと良いのがぁ出て来たな。
陽が陰り始めっとよぉ、ゼーハーも活性上がってよぉ、ぺにゃんぺにゃんの貴族高級竿考作エベ和竿ひん曲げてな、ぉおおって思わず変な声上げちまうくれぇの引き味わえちまうよ。
ミスターホルモンのマッチョさんもよぉ、良いゼーハー揚げてますがぁ、
思いきし、てめぇの指釣っちまってよぉ、鈎取れねぇんでひーひー変な声上げてたわ。