六月三十日わよぉ、将来江戸和竿業界背負って立つお二人にプレゼントだよ。
2014年 08月 13日
最近よぉ、影武者さんもぉ無事デビュー飾られてな、俺も微弱ながらぁデビュー作買わせて頂いた所だしな、お祝いとしちゃぁしょぼいもんだがぁ、落款なんつー物およぉ、恥ずかしながらぁ贈らせて頂いたんだよ。
ちゃーんと篆書体でぇ彫って貰ってよぉ、こりからぁ東亮さんやぁ影武者さんお二方の作られたお竿にでもな、ポンと押して頂けりゃあまー俺としてもありがてぇと思ってんだ。
この日わよぉ、落款お渡しすんのとな、影武者さんのぉお竿がな、小雨降る荒川で使った後よぉ、ちとコミが締まっちまって抜け無くなっちまって、抜いて貰う序でにコミ調整もお願いしに稲荷町迄行ったのよ。
松本さんによぉ、コミの抜けねぇお竿渡したらな、あんだけ俺と家のババア二人掛かりでぇ引っ張り回してもぉ嗯ともすんとも言わなかったんがぁ、あっとゆう間によぉ、すっぽーんっつーて抜いちまうんだよ。
もーお見それしやしたっつーか、何で?っつーくれぇ簡単に抜いちまうんで、えれぇびっくりしたわ。
でよぉ、古いお竿がぁけっこー入ったっつーんで見せて頂いてよぉ、お店の御二階にどーんと鎮座ましまする、六代目の小継桐箱入りゼーハー中通し和竿も僭越ながらぁ拝見させて頂いたがぁ、九十歳過ぎて作られたお竿にも関わらず、相変わらずもー芸術品の域迄達してんよな。
東亮さんにゃあよぉ、ちゃーんと東作の唐桟竿袋に落款押して頂いたけどな、初めて自分の作品に、サインと落款押すらしくてよぉ、松本さんに此処にサインして押すんだよ何て教えて貰ってたよ。
まあしょぼいお祝いだがぁ、お二方とも喜んで頂いたよーで何よりだ。
しっかしな、江戸和竿の火お消さねぇよーにな、新しい後継者がぁどんどん出て来て貰わなねぇとよぉ、まじで俺ら貴族フィッシャーメンズにゃあ深刻なぁ問題になっちまうよな。
大体よぉ、二百年以上昔からぁな、釣具専門の店がぁ生活の中によぉ、普通に有る日本の文化って、ちょー凄くねぇか?
他の国じゃあよぉ、んな趣味専門の店がぁんな大昔に普通に有る何てよぉ、ちと思いつかねぇだろ。
それで商売に成ってたぁ我らが日本っつーんわ、ほんと文化水準のぉちょー高ぇえ、すんばらしい国だっつーわけだよな。